本来、正常な細胞の中には「がんになるため」の遺伝子は存在しません。その遺伝子の情報から作られるタンパク質はすべてからだに必要なものであり、それらが適材適所で適宜適量存在することにより正常な機能を果たします。ところが遺伝子に傷が入ることにより、作られるタンパク質の性質が変わって異常な機能を持ってしまうと、正常細胞をがん細胞にしてしまうように働くことがあります。自動車に例えると、アクセルが壊れて踏みっぱなしの状態になってしまうようなものです。またタンパク質の性質は正常なままでも、異常に量が増えてしまうことにより同じような状態になることもあります。自動車で例えれば、アクセルは壊れていなくても、踏む量がぐっと多くなってしまったようなものです。がん細胞のこのような現象に関与している遺伝子をがん遺伝子といいます。