こんにちは
プリモ麻布十番クリニックの高野です!
縫合に使う糸には、その太さだけではなく、素材、形状、生体内の変化による違いがあり
目的により使い分ける必要があります。
生体内の変化の違いとして、
吸収されない糸(非吸収糸)と吸収される糸(吸収糸)があります。
表面では非吸収糸を使用し、体内に残る皮下では吸収糸を使用することが多いですが
埋没法の糸や移植組織の縫合など長期の固定性が必要な場合に非吸収糸を使用したり
粘膜面の縫合では吸収糸を使用することもあります。
吸収されるといっても体内で吸収されるまでには時間がかかります。
長いものでは数か月から半年をかけて吸収されていきます。
生体にとっては異物である糸がいずれ吸収されてなくなることは利点になり
また、吸収されるまで時間がかかることは
きずあとの幅が広がらないように抗張力を長い期間保持できて有利になります。
そのため、表面を吸収糸で縫合すれば抜糸がいらなくなるのでは
とご質問を受けたことがありますが、通常吸収されるまでは時間がかかりますので
吸収糸で縫合しても表面は抜糸が必要になります。