京都で開催された第58回 日本形成外科学会に参加してまいりました。
数多くの刺激的な演題を拝聴でき勉強になる学会でした。
今回は私も美容外科のセクションで発表をさせていただきました。
演題名
自然な鼻孔形態を形成する鼻翼縮小術
【目的】
鼻翼縮小術はnostril sillで部分切除する方法が、鼻の幅を狭くすることができるため広く行われている。この方法の利点は瘢痕を隠しながら鼻の幅を狭くする点であるが、時に特有のnotchingや角のある鼻孔形態を呈する。今回我々はnotchingを来しにくい自然な鼻孔形態となる鼻翼縮小術を考案したので報告する。
【方法】
2012年11月から2014年9月までの1年10か月間に、当院で鼻翼縮小術を行った70例中、3ヶ月以上フォローアップできた41症例(男性3例、女性33例)を対象とした。対象患者の平均年齢は26.0歳(19歳~62歳)、平均経過観察期間は8.0ヶ月(3~16ヶ月)であった。
新しい鼻翼縮小術のデザインは、鼻孔縁のコーナー部分を温存し、nostril sill部分の切除を鼻翼の辺縁に合わせるようにデザインした(内側法)。切除幅は希望の縮小程度により変化させた。Nostril sill切除範囲内に切除幅の長さの三角弁をデザインし、footplate方向へ同じ長さだけ鼻腔底を切除するデザインを作成した。Flareの大きい症例はnostril sill部分切除に加え鼻翼外側方向へ切除を追加した(外側法)。Cinching sutureは全例用いた。
【結果】
41例中、鼻翼縮小術単独で行った症例は17例、鼻尖縮小術と併用した症例は14例、鼻中隔延長術と併用した症例は8例、整鼻術と併用した症例は4例であった。鼻翼縮小術は41例中7例が外側法を用い、34例が内側法を用い行った。Nostril sill部分での切除幅は片側平均4.7mmであった。Flareを切除した症例の鼻翼外側での切除幅は平均4.5mmであった。全例で鼻の横幅の縮小が得られた。縫合部のnotchingは認めなかった。合併症として鼻孔底部に斜めに走る瘢痕が認識できる症例が13例、trap door変形を1症例認めた。
【考察】
鼻の横幅を狭くしたい場合に鼻翼縮小術は有用な術式である。今回報告した鼻翼縮小術は、notchingや、角のある鼻孔形態を防ぎ、自然な鼻孔の形態を温存できた。比較的長く生じる瘢痕がデメリットであるが、創部の減張目的にcinching sutureを用いる、丁寧に2層縫合することで頻度を減らせると考える。
cinching sutureを用い、埋没縫合は4-0 PDS、皮膚縫合を7-0 Nylonでおこないます
とても良い方法と思っておりますので、
今後もしっかりと結果を出していきたいと思います。
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