術後、バストが硬くなる
1. テクスチャードタイプのプロテーゼを採用
テクスチャードタイプのプロテーゼは被膜拘縮の発生率を下げるために開発された膜構造で、インプラントの表面積が広くなっており、表面に形成される被膜線維の走行も不規則と なることで被膜拘縮を予防しているとされています。
2. 被膜拘縮予防のための内服薬服用(3ヶ月)
被膜拘縮はプロテーゼ周囲に形成された被膜の線維が収縮することで発生します。この被膜が厚ければ厚いほど収縮したときに硬くなってしまいます。また被膜は手術の際の炎症反応が大きければ大きいほど厚く強くなってしまいますので、この炎症反応をいかに小さく抑えるかが大切なポイントになります。この炎症を抑える内服薬にロイコトリエン阻害剤であるアコレート、TGFβ阻害剤であるトラニラストというお薬の有効性が海外の論文で報告されております。
当院では炎症反応のおさまる手術後3ヶ月まで、これらの内服薬を処方しており、被膜拘縮の予防を図っております。
3. 高周波温熱療法
手術中の予防策
炎症反応を最小限に抑えるためには、迅速かつ丁寧な手術操作を常におこなうことが必要です。
細菌感染防止の観点から、当院の手術中の予防策として、術前からの抗生剤点滴、プロテーゼ挿入前の手術野の再消毒、術者、助手の手袋交換を行います。さらにプロテーゼ挿入後の生理食塩水によるポケット内洗浄、抗生剤加生理食塩水注入をおこなっております。血腫予防として正確かつ丁寧な剥離操作によるポケット作成、生理食塩水洗浄による血腫除去、止血剤ポケット内注入、ドレーン留置などの対策を全症例におこなっております。
インプラントを入れる層について
当院では乳腺下法は用いず大胸筋筋膜下法または大胸筋下法を採用しております。
乳腺下の豊胸術に被膜拘縮が多い原因として推測されているのは、正常乳腺に存在する常在細菌の存在です。乳腺組織に直接接する乳腺下法では、経乳腺的にプロテーゼが細菌感染をきたし被膜拘縮が発生する可能性が報告されています。大胸筋筋膜は非常に薄い膜ですが、特に上半分はしっかりとしていて確実な剥離層を安定して作成することが可能です。乳腺組織との遮断、あるいは接触面積の減少が被膜拘縮発生率の低下につながると考えております。
ドクターが答える深掘りQ&A
高周波温熱療法(CET)はどれくらいの頻度で受ければ効果的でしょうか
被膜拘縮になってしまうと、見た目、感触にも違和感がでるのでしょうか。放っておくと、再手術も必要になってきますか
被膜拘縮以外に、考えられる合併症はありますか
プロテーゼが入ることによる膜の形成なので、被膜拘縮はプロテーゼ豊胸に特有の合併症ということでしょうか
開院以来、たくさんの豊胸術症例があると思いますが、術後の重症の被膜拘縮の報告はないということですが、術中、多少時間はかかっても注意に注意を重ねているということですね
ラウンド型、アナトミカル型で被膜拘縮のできやすさに差はありますか
被膜拘縮がひどい状態の修正手術も行っていますか
たとえばプロテーゼを入れて、数年単位で、定期的に検査(乳がん、位置ズレやバッグの破損などのチェック)をしたほうがベターなのでしょうか
被膜拘縮は一般的にどれくらいの割合で起こりますか? また術後に起きやすい期間はありますか?
被膜拘縮はそのままにしていて、治ったりなくなったりすることはありますか
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