がんコラム「増えているがん、減っているがん」 | プリモ麻布十番クリニック

がんコラム

増えているがん、減っているがん

増えているがん、減っているがん

日本人のがんの罹患率、死亡率とも上昇してはいますが、すべての部位のがんで増えているわけではなく、それらの傾向は部位によって違います。また、いずれのがんでも罹患に低年齢化が問題になっています。

増えているがん

日本で増えているがんの主な部位は、肺がん、大腸がん、乳がんです。

肺がん

肺がんは、がん死亡のトップで年間約6万人、実にがんで亡くなる人の6人に1人が肺がんです。
肺がんの危険因子は、なんといっても喫煙です。1日に40本以上たばこを吸う人が肺がんにかかる率は、吸わない人の約20倍と言われています。受動喫煙の影響も無視できません。例えば、夫が1日に20本以上吸うヘビースモーカーの場合、喫煙しない夫を持つ妻と比べて、肺がんによる死亡率が2倍というデータもあります。
また職業的な影響としてはアスベストの関与も指摘されています。

大腸がん

年間6万人の方が大腸がん(直腸がん、結腸がん)に罹っており、男女とも増加傾向にあります。大腸がんの増加の原因は、脂肪や動物性タンパク質の摂取が増えるとともに炭水化物や食物繊維の摂取量が減少していることにあると言われています。また精神面(ストレスなど)との相関性も大きいがんの1つです。

乳がん

年間4万人もの方が乳がんに罹っています。女性では大腸がんと並んでもっとも罹患率の高いがんとなっています。欧米と比べるとその数はまだ低いとはいえ、日本では増加傾向にあります。乳がん増加の原因としては、女性ホルモンの影響と食生活が考えられます。例えば、初潮年齢が早い、閉経年齢が遅い、また更年期障害に対してホルモン補充療法を行った方などは、罹患リスクが上昇するといわれています。食生活では、高タンパク質高脂肪食品や乳製品の摂取量の増加による肥満やアルコールの過剰摂取などが影響しています。

その他のがん

肝がん、口腔がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんなども増加傾向にあります。

減っているがん

減っているがんとしては、胃がん、子宮がんなどです。

胃がん

胃がんによる死亡数は、男性では肺がんに次いで2位、女性は3位ですが、罹患数(がんにかかた人の数)では依然としてトップです。全体としては減少傾向にあります。胃がんの要因としては塩分摂取の過多が指摘されています。日本では塩蔵の食物が多く摂取されてきましたが、最近の保存技術の向上や普及、また食の欧米化により塩分摂取は減少してきています。また、そのような歴史的背景から他のがんの部位に比べて検診が普及しており、早期発見、早期治療のしやすいがんであることが罹患および死亡が減少していると要因されています。
その他、喫煙やピロリ菌などによる慢性胃炎などの関与も指摘されています。

子宮がん

1970年代中頃までは、女性におけるがんの死亡原因の第2位でしたが、近年は検診の普及などにより減少してきています。子宮がん全体の約9割を占める子宮頸がんは全体としては減少していますが、近年では若者における増加が問題となっています。最近、ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんの予防ワクチンが開発され、その接種が行われています。
一方、子宮体がんについては増加傾向にあり、女性ホルモンの関与や肥満、高血圧、糖尿病などがリスク要因とされています。

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