診療のご案内
豊胸のプロテーゼについて
現在世界中で流通しているプロテーゼの種類はさまざまなものがあります。形態、材質、表面の加工の違いなどが代表的です。なぜそのような沢山の種類があるのか?それはさまざまな患者様の要望の違いや、体形の違いに応えるためであったり、プロテーゼ自身の進化であったり、施術する側の好みであったりします。
クリニックによって、あるいは先生によって、良いというプロテーゼが違うのも、プロテーゼの選択に何を優先するかという点で、考え方の違いから生じるものと思われます。
しかし実際に施術を受ける患者様にとっては、何が自分にとって最適なのか混乱するところでもあります。
現在使用されている代表的なプロテーゼの特徴をまとめます。
プロテーゼの形態 形状
ラウンドタイプの特徴
- ◎良い点
- プロテーゼの向きを調整する必要がない。
- ◎悪い点
- 不自然にバストの上半分が盛り上がる傾向がある。
アナトミカルタイプの特徴
- ◎良い点
- 自然な形態になりやすい。
- ◎悪い点
- 向きがあるので調整が必要。正しく入れられないとせっかくの形が台無しになる。
当院では『アナトミカルタイプ』のプロテーゼを採用しております。
理由としては、形がより自然に近いこと、向きの調整を正確におこなうことができるプロテーゼを採用していること、折れにくく破損しにくい(長期における耐久性がある)ということからです。
表面の加工には『スムースタイプ(表面ツルツル)』と『テクスチャードタイプ(表面ザラザラ)』があります。
プロテーゼの形態 表面の加工
スムースタイプの特徴
- ◎良い点
- プロテーゼを入れやすい。
- ◎悪い点
- 被膜拘縮になりやすい。
マッサージが必要。
寝ると不自然に横に流れる。
テクスチャードタイプの特徴
- ◎良い点
- マッサージが不要(禁止)。
被膜拘縮になりにくい。
- ◎悪い点
- プロテーゼの膜が強いためわずかに硬い。
当院ではテクスチャードタイプのプロテーゼを採用しております。
スムースタイプは被膜拘縮率が高く、それを防ぐ目的でおこなうマッサージが、初期には痛みも伴いつらい術後経過となってしまいます。また術後マッサージによりプロテーゼの動く範囲を大きく確保できても、マッサージをしなくなると、生態には不要の空間を埋める働きがあり、徐々にカプセルが収縮し、いずれ動かなくなってしまうという報告もあります。
テクスチャードタイプは拘縮発生率を下げるために開発された膜構造で、プロテーゼの表面積を広くさせ、形成される被膜繊維の走行も不規則となることで拘縮を予防しているとされています。
プロテーゼのサイズ
プロテーゼの大きさを決めるにあたり、大事な点として、どのくらいの大きさが希望で、それを得るためにどの程度の不利益な点を受け入れられるかということがあります。現在のプロテーゼは大変な進歩を遂げておりますが、まだまだ完璧ではありません。
皮膚の伸展性、皮下脂肪の厚み、体の幅(体格)などにより適切な大きさが決まってきます。
体に合わない大きすぎるプロテーゼを入れた場合、プロテーゼの形が見た目にわかる変形をきたしたり、中央でプロテーゼが接して不自然すぎる谷間が生じたり、リップリングというプロテーゼ表面の波うちが見えたり、感覚神経を障害してしびれを生じたりと、無理して大きなサイズを選ぶとそれに伴った不利益が生じてしまいます。かといって控えめに選びすぎても不満な結果につながります。
プロテーゼの位置
豊胸術の手術中、術者が最も神経を使うポイントのひとつに、プロテーゼを正確に一番良い位置にいれることがあります。左右方向でプロテーゼの中心が乳頭に合っている位置が最も自然な形態になります。上下方向は乳房の形態にも若干左右されますが、上すぎ、あるいは下すぎると乳頭が上を向いたり下を向いたりと綺麗な形態とはいえなくなります。
当院ではプロテーゼサイザーを用い、座位で大きさを決定するとともに、最適なプロテーゼの位置も正確に調節しております。
サイザーで大きさを決定後、シリコンを挿入した後も、再度座位をとり、位置を確認、調整しております。 術後のメンテナンスとしてバストバンドを装着していただき最適な位置が変わらないようにしております。
当院は内部処理として中縫いを高性能吸収性極細糸でしっかりと行い、外縫いはさらに極細非吸収糸で行う、創傷治癒に最良な形成外科的縫合を採用しております。
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